1. はじめに:広告の種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない
WEB広告には、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告(Instagram・TikTok・X)、動画広告、アフィリエイト広告など、多くの種類があります。「どれを使えばいいか分からない」「とりあえず全部試したが、どれも中途半端になった」という声はよく聞かれます。
それぞれの広告には明確な特性と得意な役割があります。この記事では、代表的な3種類——リスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告——の違いを整理し、どのような目的・ターゲット・状況に合うかを解説します。
2. 3種類の広告、一言で言うと何が違うのか
まず大きな違いを一言で整理します。
・リスティング広告:「今すぐ買いたい・知りたい」人に届ける広告
・ディスプレイ広告:「まだ知らない」潜在層に見てもらう広告
・SNS広告:「興味関心が近い」層に、世界観ごと届ける広告
この3つは競合するものではなく、それぞれ異なる役割を担っています。購買プロセスに沿って役割を整理すると、各広告がどのファネル段階をカバーするかが見えてきます。

認知:SNS広告(認知型)/ ディスプレイ広告 / インフルエンサー投稿
興味・関心:SNS広告(エンゲージメント型)/ オーガニック投稿 / コンテンツ
比較・検討:リスティング広告 / SNS広告(CV型)/ リターゲティング広告
購買・CV:リスティング広告 / リターゲティング / LP最適化
ファン化:SNS運用 / メルマガ / UGC活用
1.1. リスティング広告(検索広告)
仕組みと特徴
Googleなどの検索エンジンで、ユーザーが特定のキーワードを検索したときに表示される広告です。「今すぐ〇〇したい」という明確な意図を持ったユーザーに届けられる点が最大の強みです。
たとえば「プロテイン 無添加 おすすめ」と検索したユーザーには、そのキーワードに入札した商品の広告が表示されます。購買意欲が高いタイミングで接触できるため、コンバージョン率(CVR)が高くなりやすいのが特徴です。
向いているケース
・商品・サービスへの需要がすでに存在する(検索されている)場合
・指名検索(ブランド名・商品名での検索)を確実に獲得したい場合
・ECサイトや資料請求・問い合わせなど、具体的なCVを目標にしている場合
注意点
検索ボリュームがそもそも少ないニッチな商材や、新しいカテゴリの商品には向いていません。「検索されなければ表示されない」という仕組み上、認知がまだない段階では機能しにくいため、認知獲得には別の施策と組み合わせる必要があります。
1.2. ディスプレイ広告
仕組みと特徴
ニュースサイト、ブログ、動画サービスなど、Webサイト上の広告枠に画像・テキスト・動画形式で表示される広告です。ユーザーが「検索していない状態」でも届けられる点が特徴で、潜在層へのリーチに優れています。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)を使えば、Googleと提携する数百万のサイトに広告を配信できます。ターゲティングも、年齢・性別・興味関心・過去の行動履歴などで設定できます。
向いているケース
・まだ認知されていない新商品・新ブランドを広く知らせたい場合
・リターゲティング(自社サイトを訪れたことのあるユーザーへの再訴求)を行いたい場合
・イベントや期間限定キャンペーンの告知をしたい場合
注意点
バナー広告は「見慣れた広告」として無意識にスルーされやすく(バナーブラインドネス)、クリック率は一般的に低めです。単体での成果より、他の施策との組み合わせで効果を発揮するケースが多いです。クリエイティブ(画像・コピー)の質が成果に直結するため、制作にも注力が必要です。
1.3. SNS広告(Meta・TikTok・X・YouTubeなど)
仕組みと特徴
各SNSプラットフォーム上に配信される広告です。ユーザーの属性(年齢・性別・居住地)や興味関心、行動データにもとづいた精度の高いターゲティングが可能です。また、投稿に近い形式で表示されるため、世界観ごと届けることができます。
Meta(Instagram・Facebook)広告は購買意欲の高いユーザーへの訴求に強く、TikTok広告は若年層への認知形成に優れています。X(旧Twitter)広告はリアルタイムの話題と連動した訴求に向いています。
向いているケース
・特定の属性・興味関心を持つ層にピンポイントで届けたい場合
・ビジュアルや映像で商品・ブランドの世界観を伝えたい場合
・インフルエンサーやショートドラマなど、制作した動画素材を広告として配信したい場合
注意点
クリエイティブの鮮度が命で、同じ広告を長期間出し続けると「広告疲れ」が起きます。定期的に新しい素材を投入する必要があるため、制作体制の整備が重要です。また、プラットフォームごとにユーザー層や表示形式が異なるため、同じクリエイティブを使い回すのではなく、それぞれに最適化する必要があります。
3. 3種類を組み合わせた設計の例
例①:新商品を立ち上げる場合
1. SNS広告(認知型)でターゲット層に商品を知ってもらう
2. ディスプレイ広告(リターゲティング)でサイト訪問者に再アプローチする
3. リスティング広告で商品名や関連キーワードの検索を確実に刈り取る
例②:EC売上を伸ばしたい場合
1. リスティング広告で購買意欲の高いユーザーを直接獲得する
2. SNS広告(CV型)でターゲット属性に絞った購買訴求を行う
3. ディスプレイ広告(リターゲティング)でカート放棄ユーザーへ再訴求する
例③:ローカルビジネス・店舗集客の場合
1. リスティング広告でエリア×サービス名での検索をカバーする
2. SNS広告(エリアターゲティング)で周辺在住ユーザーに認知を広げる
3. ディスプレイ広告でイベントや季節キャンペーンを告知する
4. 動画素材の活用という視点
SNS広告で特に有効なのが、動画素材の活用です。通販番組やショートドラマ、インフルエンサー投稿として制作した動画は、SNS広告のクリエイティブとして転用することができます。
たとえば、テレビ通販番組で収録した映像をSNS広告用に再編集したり、ショートドラマ仕立てのブランド動画をTikTok広告として配信したりすることで、制作コストを抑えながらコンテンツの質を維持できます。単体のバナー広告よりも、動画広告は視聴者の感情を動かしやすく、ブランド好意度の形成にも貢献します。
まとめ:広告の種類より「役割の整理」が先
リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告はそれぞれ異なる役割を持っています。「どれが一番良いか」ではなく「今の自社に何が必要か」を起点に選ぶことが重要です。
・購買意欲の高いユーザーを確実に獲得したい → リスティング広告
・まだ知られていない商品を広く認知させたい → ディスプレイ広告・SNS広告
・ブランドの世界観ごと届けたい・動画素材を活用したい → SNS広告
3種類を単体で考えるのではなく、ユーザーの購買プロセス全体に沿って役割を割り振り、連動させることで、プロモーション全体の効率が上がります。
マスデジタルでは、広告の種類選びから役割設計、クリエイティブ制作まで一体でご支援しています。「どの広告から始めればいいか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
この記事はマスデジタルが提供するコラムです。WEB広告・SNS広告の設計・運用についてのご相談はお問い合わせフォームよりどうぞ。

Written by
田浦 典幸
大学卒業後、GMOインターネット、フルスピードにて営業および新規事業の立ち上げに従事。デジタル領域を軸に事業推進の経験を積む。その後、株式会社J・Gripにて取締役社長に就任。事業拡大、組織運営、デジタルマーケティング領域の強化を手がける。
2020年1月、合同会社2SCを創業。
BtoBマーケティング、インサイドセールス、採用広報、インナーブランディングなど、企業成長に必要な領域を横断したコンサルティングを提供しながら、マーケティング・リサーチ事業会社のマーケティング部門を担当。
2023年には、パートナー2名と共にインフルエンサー事業会社を創業し、SNS・KOL領域の事業を拡大。2024年には株式会社マスデジタルを創業し、マーケティング戦略とクリエイティブ制作を一体で支援する体制を構築。
現在は、デジタルを軸とした総合的なマーケティング・営業戦略の設計から実行までを担い、企業の成長に最適なソリューションを提供し続けている。
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